エアワイパー
概要
弊社では、既存のワイパー機構の持つ様々な問題点に対する解決解決方法として、 高速気流によりガラス面を洗浄する「エアワイパー」を提案し、開発を進めています。
ワイパーの問題点
- 「擦る」動作が基本のため、火山灰等に利用するとガラス面が損傷
- ハウジング外部に可動部が露出するため強風などで不具合が発生
- ハウジングに機械構造を取り付ける必要があり装置が大型化
- ドーム型カメラなど曲面への対応は困難
エアワイパーでは
- 高速空気流で水滴や異物を吹き飛ばす → 「擦らない」ため火山灰にも対応
- ハウジング外部に可動部はない → 強風などにも対応するロバストな構造
- ハウジングに取り付ける部品はノズルと配管のみ → 小型化が容易
- ノズル形状の工夫で曲面にも対応 → ドーム型カメラなど広い適用範囲
エアワイパーの小型・静音化
エアワイパーが対象とするカメラは大小様々ですが、ここでは小型カメラシステム への組み込みを視野に、エアワイパーの小型化・静音化への対応をご説明いたします。
シングルノズルへの変更
大口径レンズの場合には高速空気流の噴射範囲は広範囲である必要がありますが、
レンズ径数mmの小型カメラでは噴射範囲は高々1cm程度で十分効果が期待できます。
このような場合、単一の微細ノズルを利用することで消費する空気量の削減が可能です。
コンプレッサの小型化
微細シングルノズルへの変更に伴い、必要とされる空気圧、空気量の制限が緩和され、
小型コンプレッサの利用が可能になります。
医療機器などに利用されている小型静音 コンプレッサを使用することで、
従来と比較して大幅な小型化、静音化を実現し、カメラハウジング内への組み込みを可能としました。
動作検証(水滴)
今後の課題
- 更なる小型化、静音化
現状でも都市部の道路脇などへの設置では騒音の問題は全くありませんが、 特に静寂な環境への設置を視野に更なる静音化を進めています - 水滴以外の異物への対応
監視カメラでは、カメラ前に蜘蛛の巣を張られてしまうなどの問題も発生します。 エアワイパーを利用して蜘蛛の巣など水滴以外の異物除去も検討しています